Here is a witch's heart

07th Expantion様の「なく頃に」シリーズの考察を行っています。たまにブラウザゲーム「政剣マニフェスティア」についても言及するかもしれません。

動機の考察

以前から、なぜ戦人は真実にたどり着けてヱリカにはそれができないか考えていました。
能力的にはヱリカはニンゲンのハイエンド、必要な情報さえそろえば必ず正答を導き出せると私は捉えています。
しかし、結果としてヱリカはEP5,6と戦人やベアト相手に負けてしまっています。
ヱリカはベアトの心臓を見つけることができませんでした。
ヱリカに見つけられないものをどうして戦人が見つけることができたのでしょうか。


思考方法の違いか、得られる情報が違うのではないか等と色々思い悩んでいましたがようやく二者の違いに思い至りました。


それは動機を重要視するかどうかです。
ヱリカは動機は後から付いてくるというスタンス。
戦人は動機は大事だと紗音に説いていました。
ついでにウィルも心をないがしろにするなと言っていました。
ここに戦人やウィルの至った考えを知るポイントがありそうです。


動機と言っても犯人のものだけとは限りません。
キャラクターそれぞれがなぜその行動をとったか考える必要があります。
そしてそれはボトルメールの中のキャラだけではなく、戦人と直接対峙しているベアトリーチェの動機も考えるべきでしょう。
なぜ、六軒島の惨劇をゲームとして戦人に解かせているのかを。


ベアト(安田紗代)の動機としては「約束を思い出してほしい」「右代宮家への復讐」「恋心の選択」などがEP7のストーリーから想像できますが、これらは本当にベアトの動機なのでしょうか。
もしそうだとしたら戦人はベアトを受け入れるでしょうか。
ここらへんの考察は以前も行いました。

loosedogtom.hatenablog.com


EP2,3のベアトは楽しそうでした。
戦人とゲームをすること、それ自体に楽しみを見出しているように見えます。
元々ベアトは戦人と楽しむことが目的だったのでしょう。
ゲームを用意し、戦人と楽しむこと。
しかし、戦人はゲームであることがわからなかった。 そこら辺の温度差がEP3に出てきます。
戦人は無残に死ぬ親族を笑うベアトに憤りをあらわし、ベアトはそれにとまどいます。


EP7はベルンによる抑揚をつけられています。

loosedogtom.hatenablog.com

抑揚は情報量ともとらえることができます。EP7では 安田紗代の失恋に尺がとられ大きく描かれているが、私は恋の成り立ちに注目したい。


安田紗代の恋のきっかけは趣味であるミステリだった。
実際に戦人とのミステリ談義も描写されています。
もしベアトのゲーム盤をミステリととらえるのならばこの点になんらかの共通点を見出していいはずです。


安田紗代は自分のミステリを戦人に解かせたかったのです。
もしかしたら描写にないところで一緒に自作ミステリで競う約束もしていたかもしれない。
それをせっかく作ったのに忘れられていたらがっかりするでしょう。
それがEP4のベアトと戦人のテラス越しのやりとりになります。


ベアトの言う約束はEP7に出てくる迎えにくる約束と取りがちですが、S.60年の時点で紗音として譲二との未来を見始めている。
つまり、戦人のことは一度あきらめているのです。
確かに実際に迎えにくる約束が忘れられていたらがっかりするかもしれません。
しかし、別の約束がある可能性も考慮していいだろうし、それがミステリゲームをする約束である可能性は十分にあると思います。