父の教え
過去に作ったオリスクよりSSとして転載します。
下ネタ多め。
譲治と紗音がイチャイチャ(?)します。
お父さんは大変というお話し。
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譲治:「えーっと……、シャツは三枚持ったし、パンツも3枚…。
万一汚れた時のために予備のズボンを一枚……っと。
そうだ、そう言えば友達が餞別って紙袋をくれたっけ。中身はなんだろ……」
譲治:「こ、これは!!
コ〇〇〇ム!!
まったく、今回はそんな旅じゃないって言ったのに………。
……まあ、男の身だしなみって言うしね。
持ってるだけなら悪いこともないしね。
使う気は無いしね。
うん、せっかくくれたものだからね。
置いていくのも悪いし、バッグの底に入れておくのもいいんじゃないかなーっと。」
秀吉:「おう_! 譲治! 入るでー!」
譲治:「ちょ! ちょっと_! 父さん!
入るなら返事をしてから入ってよ!!」
秀吉:「おぅ。すまんすまん。
でも、見られて悪いことをしていたわけやないんやろ?」
譲治:「そうだけどさ…、親しき仲にも礼儀ありだよ。父さん。」
秀吉:「まあ、そうやな、今度から気をつけるわ。堪忍や。
で、何をしとったんや?」
譲治:「週末からの旅行の支度だよ。」
秀吉:「おお。そうやったな……って、譲治、えらい荷物やな。
一体何泊してくるつもりや。」
譲治:「え? 一泊のつもりだけど………。」
秀吉:「一泊の旅行になんでそない大荷物になるんや。
旅慣れた人間の荷物っちゅうのは例外なく小さいもんやで。
何がそのバッグの中に入っとるんや。」
譲治:「ひ、必要な物しか入れてないよ。
着替えにシャツとパンツが3枚づつでしょ。予備のズボンにパジャマ…。」
秀吉:「あー、あかんあかん。予備なんて考えんと必要な分だけでええんや。」
譲治:「でも汚れたら…。」
秀吉:「そん時は現地調達でええがな。
それにな、なんやねんパンツ3枚って。
一泊ぐらいなら昨日のパンツそのまま履いたってもええやないか。」
譲治:「それはちょっと……。」
秀吉:「なんでや、どうせ見えへんとこやないか。
ははぁん、譲治、さてはお前……、女の子とデートやな?!」
譲治:「ち_! ちちちちちちがうよ!!」
秀吉:「そない慌てたらバレバレやがな。
かまへんかまへん。母さんにはナイショにしたるさかいにな。
ワシは相手が誰かなんて野暮なことは聞かん。
譲治が選んだ相手や。父さんは応援したるで。」
譲治:「父さん……、ありがとう。」
秀吉:「そうか…、譲治も色を知る歳か。
よっしゃ! それじゃいっちょわしが、女性にモテる秘訣をお前にレクチャーしたる!!」
紗音:「ほら譲治さま、見てください! かわいいですよ、ほらほら!」
紗音が水槽の中に仲良く泳ぐシュモクザメのつがいを見つけ、まるで初めて水族館に来た小学生のようにはしゃぐ。
譲治:「うん、本当にかわいいね。食べ…」
紗音:「うふふ、譲治さん。食べたいだなんて言わないでくださいね。
知ってますか? 水族館に来て美味しそうなんて言い出すのは、世界中でも日本人だけなんだそうですよ?」
譲治:「え? い、いやだなぁ。そんなこと言わないよ」
譲治:(し、しまった…、紗音に言いたいことを当てられてしまった!
これじゃ会話が続かないよ……。
どうしたらいいんだ!!)
秀吉:(「ええか、譲治。
女はな、意外性や独創性に弱いんや。
人とは違う、他人に真似でけへん所をアピールするんや」)
譲治:(そうか! 意外性と独創性だね、父さん!)
譲治:「えっと、僕が言いたかったのはね、紗音。
『気持ちよさそうだなぁ』って言いたかったんだよ」
紗音:「え? 気持ち…?」
譲治:「そう。ほら、泳いでいる魚の中にはさ、鱗がなくってすごい肌がきめ細かくってぬるっとしてそうな奴もいるじゃない。
あのマンタとかさ。
そういうやつを肌に這わせたら気持ちよさそうだなぁって。
『深夜水族館全裸餌付けショー』なんてどう?」
紗音:「え…あ、あの。
び、病気に気をつけた方がいいかと…」
譲治:「そっか、気遣ってくれるんだ。
紗音は優しいね。
そうだね。風邪を引いちゃうもんね」
譲治:(ふふ、驚いてる驚いてる。
どうだい、こんな発想、他人には真似できないでしょ。
紗音、惚れ直してくれたかい?)
僕が炒め物を山盛りにした皿を持ってくると、紗音は可愛らしいケーキの載った皿を持ってきた。
互いの痩せ我慢を笑いあいながら、僕たちは昼食を再開する。
紗音:「譲治さんは何を取ってきたんですか?」
譲治:「えっとね……、うなぎのかば焼きでしょ、にんにくの丸焼き、すっぽんの生き血、牡蛎フライ、生レバー、とろろいも……。そしてジョッキに生タマゴ」
紗音:「い、いっぱい持ってきましたね…」
譲治:「えへへ、食べすぎかな?」
紗音:「あれ? これは何ですか? 変わった食べ物ですね」
譲治:「ああ、それは豚の宝殿だね。
食感がおもしろいんだよ。つついてごらん」
紗音:「え? こうですか?
ほんとだ。グニュッとして面白いですね」
譲治:「そうそう。ジョウズダヨー。ジョウズダヨー」
紗音:「くすくす。 変な譲治さん。
ホーデンって何でしょう?
あ、レディホーデンとか、アイスに入っているようなものですか?」
譲治:「うん、まあ、そう言うことにしておこうか」
秀吉:(「ええか、女はワイルドな男に惹かれるんや。
カッコだけワイルドにしてもあかんで?
食いっぷりのいい男。これや!
なんでもうまそうに頬張る男に女はグッとくるんや」)
紗音:「ところで…、元気は出そうですけど……、ちょっと栄養偏っていませんか?
譲治さまは、秀吉さまの血が濃いみたいですから、気をつけないとおデブさんになっちゃいます。」
譲治:「そうだね。でも、そこはサプリで補ってるから大丈夫さ」
秀吉:(「ワイルド言うてもただガサツなだけじゃあかんで。
インテリジェンスも兼ね備えてこそや。
例えば、栄養のバランスを考えて見るとかやな。
ウンチクの一つもたれられれば上出来や」)
紗音:「へー、譲治さんいつもサプリメントを飲んでらっしゃるんですか。
体に気をつかってるんですね。
何を飲んでいるんですか?」
譲治:「うん、これはね、『亜鉛』のサプリだよ」
紗音:「亜鉛…ですか?」
譲治:「知ってるかい? 亜鉛はね別名『セックスミネラル』と言ってね、男性の精力維持に欠かせないミネラルなんだよ」
紗音:「へ、へー…。た、頼もしい…です…ね?」
譲治:(よしっ! ワイルド、インテリジェンス。パーフェクトだよ、父さん)
ふぅ……、今日は楽しかったな。
二人の出会いは水族館、初デートも水族館、こうやって思い出が増えていくんだね。きっと。
呼び方も紗音から紗代に一歩前進したし………。
それに、あの浜辺で………
ふ、ふ、ふ………
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ
さて、今日はもう寝ようかな。
今日という日はなごり惜しいけど、家に帰るまでがデートだもんね。
まだ、明日もあるさ。
お休み、紗代………。
秀吉:(「譲治。今までお前に色々教えてきたけどな。
最後に一番大事な事を教えたる。
今まで教えてきたことは結局は小細工や。
最終的にはな、『自分の気持ちをストレートに伝える』。
これが一番大事なんや。
わざわざ回りくどいこと言うたらあかん。
自分の気持ちを一言でバシッと相手に伝えればええ。
ええか、譲治。自分に素直にならんとあかんで……」)
譲治: そうだ! 僕は肝心なことを忘れていた!
一番大事な事を紗代に伝えていないじゃないか!
自分に素直に…、相手に気持ちを…。
僕はまだ紗代に自分の気持ちを伝えていない!
ありがとう、父さん。僕…行ってくるよ!!
紗音:「はい…ちょっと待ってくださいね。
……あら? 譲治さん、どうなさったんですか?」
譲治:「やあ、紗代。まだ起きていたかい?」
紗音:「ええ、譲治さんの事を考えていたら、なんだか眠れなくて。
や、やだ、なんだか恥ずかしいです」
譲治:「あはは、恥ずかしがらなくていいよ。
それは僕もなんだからね」
紗音:「え?! 譲治さんも…ですか?」
譲治:「うん、そうなんだ。
今日は紗代といっぱいお喋りをしたけれど……、まだ伝えていない事があったんだ」
紗音:「な…なんでしょう」
譲治:「紗代、聴いてくれるかい? 僕の素直な気持ちなんだ」
紗音:「は、はい! お聞かせください!」
譲治:「紗代………
や! ら! な! い! か! !! 」
秀吉:「で………、あかんかったのかいな」
譲治:「うん……、せっかく父さんが教えてくれたとおりにやったのに………。
何が…何が悪かったんだろう………」
秀吉:「まあ……、あまり気を落とすな_。譲治。
そうやって女に磨かれながら男をあげていくもんや。
わしかて始めからうまくいった訳やない。
それはそれは多くの女性に振られながら、ようやっと母さんと結ばれたんや。
まだ、完全に振られた訳やないんやろ?
これからや、ガンバレ! ガンバレ!」
譲治:「ねえ…父さん。
父さんの教えって…ひょっとしたら成功例は母さんだけなんじゃないのかい………」
秀吉:「そう言うなや………」
(了)
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父の教えなんて聞いた時には子供は大して意識していないものです。
がんばれ、秀吉。
当時好きだったAAをオリスクに取り込んでますね。
今見るとなつかしい。
元動画はこちら。
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