「紗音」「ヤス」「ベアトリーチェ」「嘉音」の関係性について
紗音、嘉音、ベアトの関係を確認しました。
EP7でクレルがウィルの前で告白します。
「安田紗代」の過去話から。
第四章。“新しき日々”。
それは、福音の家より来た使用人たちの入れ替わりである。
学校のように学年があるわけではないので、誰が何年で辞めると、厳密に決まっているわけではない。何年で六軒島を“卒業”するかは、使用人たち個々人と環境が判断することなのである。
よほど環境が合わない使用人なら、来て3日ともたない者もいる。
何しろ、六軒島での生活は厳しい。
福音の家ももちろん厳しいが、六軒島ならではの決まりごとも多く、使用人たちを統括する夏妃の指導も厳しい。窮屈に感じることも多いだろう。その窮屈さと給金を秤に掛け、彼らは自ら、卒業の時期を判断するのである。
また、時には右代宮家の方から、就職先の斡旋があり、新しいステージへ羽ばたくよう勧められることもある。
そのサイクルは、大抵は2~3年程度。
誰が決めたわけではないが、それが彼らの勤続の、一つの目標であり、暗黙のルールとなっていた。
しかし、我はそのルールからも外れていた。
未だ、新島の学校に通い続けながら、使用人生活を続けている……。その年、ごっそりと福音の家の使用人たちが辞めることとなった。
仲の良い使用人たちが、連れ立って同時に辞めることは珍しくなかった。我だけを残し、福音の家から来た仲間たちは一斉に、この島から卒業していった…。
まずここで気づくのがヤスの過去話の中の紗音が実在しないこと。
長々と引用しましたが、一番最後の文に 「我だけ」とあります。
少なくともこれ以降紗音はいないことになります。
また、ゼパフルが居る舞台上を除き六軒島では紗音は他の使用人と会話をしていないこともそれを裏付けるものでしょう。
また、後任の使用人が着任後、次のように言います。
「自分も同じようなことが何度もあったけど、誰に相談しても信じてくれなかったって…! 第一、先輩とかはヤスのこと馬鹿にしてたけど、ヤスは言われるほどドジでも馬鹿でもなかった。年下に仕切られるのはムカつくから、いつも反抗してたけど、仕事は割りとそつなくこなしてた。そんなヤスが、そこまで馬鹿にされるほど、物をなくすなんてことあるのかなぁって不思議に思ってた…!」
第四章以降はヤスが後任の使用人を仕切っていたようです。
もし、年上で仕事のできる紗音がいれば紗音が使用人を仕切るのが自然。
つまり、やはり紗音は六軒島に居ないことになります。
さて、これはどういうことでしょう。
考えられるのはこの紗音は安田紗代にとってのイマジナリーフレンドだったと言うことです。
福音の家から慣れない使用人生活を始めた安田紗代は脳内に自分を励ます存在を作り出します。
それが紗音。
紗音は福音の家での友人でなんでもよくできるお姉さんでした。
そのお姉さんを「なりたい自分」として脳内でイメージしてつらい時は励ましてもらっていました。
その際に逆にまだドジをしてしまう自分を「ヤス」として客観視するようになります。
「安田紗代」の中に「紗音」と「ヤス」ができあがります。
クレアの話はこの「安田紗代」の中の「ヤス」視点の話になります。
次第に安田紗代は熊沢から教えてもらった「おまじない」などをきっかけに仕事がうまくなりイメージしている紗音に近づいていきました。
その結果、だんだん「ヤス」は不要になっていきました。
後任の使用人との鍵などの悶着から、安田紗代は徐々に魔女へのあこがれを育てていきます。
そこで自分の嫌いな部分の「ヤス」をなりたい存在「ベアトリーチェ」に変えてしまいます。
結果「安田紗代」の中になりたい憧れの存在「紗音」「ベアトリーチェ」ができあがります。
後日、戦人の失恋から立ち直るために慰める存在「嘉音」も作ります。
この「嘉音」も成り立ちは「紗音」と同じでしょう。
この安田紗代の話はボトルメールの作者の背景を説明したもの。
この「紗音」「ベアト」「嘉音」はボトルメールにも出てきますが、この作者の背景をボトルメールにも持ち込んだと考えれば「同一人物説」になるのでしょう。
ですが、私はボトルメールの中の彼らは作者の背景をモデルにしたものでそれぞれ分けられた存在としてかかれていると思います。
プレイヤーが作者の背景をボトルメールに取り込んだと判断したら「同一人物説」
取り込んでいないと判断したら「その他の説」に分岐します。
本編ではわざと「安田紗代」からの視点ではなく「ヤス」からの視点で描くことによって「同一人物説」に誘導していると私は考えます。
なお、EP7ベアトの葬儀受付での紗音は、自分たちが分かれていないボトルメール外だったためと考えます。