なぜ海の中に祠が建っているのか
六軒島近海には「悪食島の悪霊」を祀る祠があるそうです。
近海と言っても紗音が歩いて行けるので海岸近くの岩場と言った方がいいのかもしれません。
追記:後ほど確認したところ紗音はモーターボートを使っていました。
作ったのは六軒島が六軒島と呼ばれる以前の先住者たちと修験者のようです。
さて、ここで一つ疑問がわきます。
なぜ海の中に祠を作ったの?
例え歩いて行ける距離といえども波のある岩場へ資材を運ぶのは結構な手間のはずです。
マンガ版の描写を見ると中に霊鏡があるだけのほんの小さな物の様ですが…。
これが指し示すことは結構重大なことだと思います。
なぜなら、もし悪食島の悪霊のお話がただの作り話や怪談だったらわざわざこんな手間をかけないからです。
手間をかけて祠を作り、霊鏡を安置し、維持する。
それだけの手間をかけると言うことは、それだけの手間をかけなければならないと思うようなことがあるわけで。
つまり、悪食島の悪霊のお話というものは、過去の六軒島…いや、悪食島で実際にあったことがモチーフになっていると考えられる訳です。
残念ながら悪食島の悪霊のお話は作中には出てきません。
唯一EP7で熊沢が語るぐらいです。
引用します。
「ほっほっほ、いいですともいいですとも。六軒島はかつては、小豆島という名でした。でももっと大昔の呼び名は、悪食島でした。島に近寄る船乗りを海の底に引き摺り込んで魂を喰らうと噂されておりまして。
……そんな恐ろしい悪霊が、この島にいるんでございますよぅ? ほっほっほっほ。」
また、EP5でヱリカが熊沢から悪食島の悪霊の話を聞いて分析を行っています。
「……悪食島伝説は、六軒島周辺の暗礁を恐れた漁民たちが生み出したおとぎ話。しかし、悪食島に住まう悪霊なるものには、具体的なビジュアルイメージが伴っていませんでした。人なのか、怪物なのか、はたまた足のない幽霊なのか。さっぱりイメージがありません。人は、ビジュアルを伴わない空想を苦手とします。……そこに、ベアトリーチェという魔女の伝説が登場した。」
「悪霊よりは、魔女の方が想像しやすい存在です。しかもその上、金蔵さんはベアトリーチェの肖像画を描かせ掲示しました。つまり、悪食島伝説の一番の弱点、祟る悪霊のビジュアルイメージが初めて補完されたわけです。そこからいつの間にか、2つの伝説が混じり合っていってしまったのではないでしょうか。
なるほど、ここら辺から察するに祠は海の岩の上に立っていたはず。
と、すると六軒島の周辺は遠浅で隠れた暗礁が多く海難事故が多かったと読めます。
となると、祠は海難事故で亡くなられた人の慰霊や、新たな海難事故に遭わないよう注意するために作られた、と考えるのが妥当なようですね。
ですが、本当にそれだけでしょうか?
この件には修験者が絡んでいるそうです。また、わざわざ霊鏡も安置されているとか。
もう少し何かありそうな気がします。
この件についてはまた後日触れます。