Here is a witch's heart

07th Expantion様の「なく頃に」シリーズの考察を行っています。たまにブラウザゲーム「政剣マニフェスティア」についても言及するかもしれません。

Ruin of the golden witchの考察・解答

前の記事で紹介させていただいたRuin of the golden witchの考察をしたいと思います。

loosedogtom.hatenablog.com


 まず考察するにあたって一番大事な情報を固めたいと思います。

 今回のような二次創作の偽書では
「どこまで本編の設定を盛り込んでいるのか? 偽書内だけで完結できるのか?」
と言う疑念がつきまといます。
 今回のRuin of the golden witchではあるシーンにてこの疑念に答えを出すことができます。

 『挑戦状』のシーンで青服の山羊が
「我々”魔女のゲームの既読者”は…」と原作からの情報を基に考察を行っています。
このシーンから我々プレイヤーも”魔女のゲームの既読者”であるので、原作からの情報を基に考察を行うことが可能であることがわかるようになっています。
ほんの短いシーンですが、ここからうみねこ原作の情報を全て詰め込んでしまったのと同じ情報量を得ているわけです。
 あくまでも可能であるだけで、実際に使われているとは限りませんが、考察の自由度としては格段に幅が広がります。

 さて、このように原作からの情報が生きると言うことは原作を根拠とした説を使ってもノックス第8条(手がかりなき…)に抵触しないと言うことです。
 当ブログでは『死体行動説』を主張していますが、これの根拠となる要素は「金蔵の思考パターン」「鎮守の社の修復」「悪食島の悪霊の怪談」ですので、今回のRuin of the golden witchでも主張する分には有効なはずです。

死体行動説の詳しい根拠の流れはこちらのリンクから
loosedogtom.hatenablog.com


 『死体行動説』の強みは「死体による中からの密室制作」「死を理由としたアリバイの無効化」などがあります。

 『死体行動説』を使ってざっと物語を見渡すと…

 第一の晩は全て死体の内側からの戸締りで解決できそうです。
 ですが、留弗夫たちが見えないように隠されていたり、床に塗料がぶちまけられていたりしていた点がまだ不明です。
見られてはいけないものを隠したかな?
死体が動き回った跡とか、ダイイングメッセージとか。

 第二の晩は金蔵が自分で歩いていけば解決。
おじいちゃん、ちょっと洗濯物(嘉音の服)も一緒に持って行ってください。
右代宮家ってボイラー室に洗濯物干してそうですよね。

 第四の晩も密室に関しては死体の戸締りで解決。
自分で首を吊れるのかと言う疑問がありますが…あ、踏み台を隠蔽するために火をつけた?

 郷田殺しは源次でよろしいかと。

 紗音・夏妃朱志香殺しも死体の戸締りで解決
夏妃が予め殺されて犯行実行者になっています。

 源次殺しは……共犯者にするために物語冒頭で殺しておくとお話がスムーズに進みそうです。

 そして最後の戦人殺しは…これまでの死者全員に可能になります。
EP2の黒山羊に襲われる楼座親子さながらに戦人と真里亜に群がる死体たち。
ちょっとしたグロホラーですね。

 ここの別解として楼座を推しておきます。
根拠は不和の魔法陣のシーンです。
このシーン夏妃と楼座の共犯を疑っています。
二人で手紙を置き、不和を装い人数を半分に割ってその後の犯行を楽にすると言う流れが想定されます。

 さて、これでヴィアトルが求めた11項に解答することができました。
青い楔はヴィアトルに届いたでしょうか?
 


 …………と、ここまで書いたところで自分の考察のロジックエラーを指摘。
 赤字【自殺者は存在しない。】があることから主犯者が死ねないんです。
 主犯者が自ら殺される理由を考えなくてはいけない。
 紗音を犯人にして動機をconfessionに求めて、贖罪のために自殺はゆるさず他人に殺させたってことにしておきましょうか。強引ですが。


Ruin of the golden witchの『挑戦状』の最後のシーン、私好きです。
悪意ある幻影に向かっていく山羊の群れは考察にあきらめずに物語に立ち向かっていく人たちの姿に重なります。

「もしも、”推理不能”が、ベアトリーチェのゲーム盤に対し、このカケラの海で支配的な”黄金の真実”ならば。」
「我々が広めていけば良いのです。我々のじゃなくても良い。優れた考察をッ!!誰にも反証されない考察をッ!!」
「第八のゲームにて、一度は終わった。その後沢山の輝かしい考察が積み上げられたが、その多くは、大衆の目には入らない!」
「強固な真実の構築……総意たる推理の顕現には……熱気が、再び、必要…!」
「復活させるべきなのだ……、……我々のゲームを!崇高なる考察者たちの、宴を…ッ!!」


 もうね。勝手に決めつけますけど、このシーンこそが鳥居さんが一番書いて伝えたかったシーンなのではないかなと。
 私も自身をこの山羊たちに重ねてしまって涙腺が緩みます。


 願わくば私の山羊もこの山羊の群れの中にいますように。



追記:Ruinにおける『死体行動説』の根拠ですが、物語始めに金蔵がプレゼントを選択していることに求めてもいいような気がします。