Here is a witch's heart

07th Expantion様の「なく頃に」シリーズの考察を行っています。たまにブラウザゲーム「政剣マニフェスティア」についても言及するかもしれません。

自分の常識はボトルメールの常識と同じものか?

前回の記事でEP6ロジックエラー密室のクローゼットからの嘉音消失のトリックを
「蜘蛛の巣を押し付けて消失」としました。

loosedogtom.hatenablog.com

正直かなり無理のある説のように見えます。


なぜ、蜘蛛の巣で体が消えるのか。
なぜ、一緒に来ていた服まで消えるのか。
なぜ、後から着込んだ雨合羽は残るのか。


常識的に考えればかなり無理がある話でしょう。物理的にありえない。これは魔法ではないのか。
私自身、この説を飲み込んで腹落ちさせるまで年単位で時間をかけました。


しかし、ある時一つの思い付きから、ふっと納得がいったのです。
その思い付きがこれです。


誰がボトルメールを書いたのか?」


ボトルメールを書いたのは安田紗代です。
私の考えではボトルメールは戦人に読ませて推理を楽しむために書かれたものです。


私は私の常識で嘉音消失のトリックに苦しんでいましたが、さて、ボトルメールの作者の常識と私の常識は同じ常識なのでしょうか。


EP7でヤスの視点から安田紗代の半生が描かれています。
安田紗代は学校には通っていましたが、生活のメインは六軒島での使用人生活でした。
年齢も3つぐらい詐称していたようですね。
また、想像を楽しむ癖があり、魔女や魔法にあこがれていました。
ボトルメールはそんな彼女が書いたものです。


ざっと考えて戦人が右代宮家を去った時の安田紗代の年齢は13~16歳ぐらいでしょうか。
学力的にはさらにマイナス3歳です。
そんな彼女が描いたものなら物理法則よりも自分が設定した法則を優先してもおかしくないのではないか。
そう考えた時、ようやく腹落ちすることができました。


自分の常識で物事を否定してはいけないのです。
相手がどのような常識でこちらに語り掛けているかを考えることが大事だったのです。


このようなシーンはこのトリックだけではありません。
EP3で死を嘲笑うベアトに戦人は激怒します。
しかし、EP5を経て戦人はベアトを許すことができます。


これも、お互いの常識、認識が食い違っていた結果でしょう。
戦人は見せられたボトルメールを事件当日の真実と思い、それを嘲笑うベアトに対して怒った。
しかし、ベアトのボトルメールは戦人を楽しませるために書かれたミステリ小説だった。
それを理解した戦人はベアトを許すことができたのではないでしょうか。


そもそも安田紗代は家族や親類縁者がおらず、人の死と言うものを知る機会が少なかったと推測できます。
その中で人が死ぬことによってエンターテイメントが成り立つミステリ小説を好んで読むようになった。
なるほど、ベアトが人が死ぬシーンで喜ぶ気持ちがわからなくもないですね。
ベアトは人の死を軽んじている。


確かに私もミステリを読んでいて楽しい瞬間は、犠牲者がでてこれから謎解きが始まるぞ、と言う時のような気がします。
しかし、これは外からミステリとわからずに見ている人にとっては確かに不謹慎なものでしょう。


人を愛する時はその相手の理解が必要になるでしょう。
理解がないのであればそれはただの恋です。



愛がなければ見えない。
解釈はいくつもできませんが、その内の一つに相手を「理解すること」を入れてもいいのではないでしょうか。

死体行動説検証 EP6

死体行動説の検証も最後のEP6に参りました。
EP6と言えば戦人の捕まったロジックエラー密室ですね。

ポイントは二つ。

・いとこ部屋から嘉音を脱出させる
・戦人救出後嘉音をクローゼットから消失させる

この二つができればいいわけですね。

・いとこ部屋からの嘉音脱出
壮絶なヱリカの自爆です。

「グッド。続けます。
“いとこ部屋に所在するのは、それ以外の全員である”!」

 “全員”という単語に戦人はわずかの反応を示す。
 ……何度もゲームを重ねてきた彼の嗅覚が、即答を避けるべきだと直感させる…。

「……拒否する。それを認めるって言うと、金蔵の遺体もいとこ部屋の中にあるって論法になっちまうからな。」

「あぁ、失礼。金蔵はすでに存在しないことが確定していますから、全員という言葉からは抜いて考えて下さい。」

全員と言う言葉ですが、ここで死者である金蔵は含まれていないことがわかります。
また、他の死者である霧江たちもこの全員には含まれていません。
つまり、死者はこの全員には含まれないことになります。

で、あれば遡り手で嘉音は殺して行動させていたことにすれば、嘉音はいとこ部屋に居る必要はないことになります。
遡り手で予め適当な場所にいたことに設定しておけば、問題ありません。


・戦人救出後嘉音をクローゼットから消失させる
 2案あります。

 まず1つは嘉音が死体であることを利用して言葉の定義を抜けること。
 すでに死んでいる嘉音は死体であり、嘉音とは呼べません。
 クローゼットの中には死体はありますが、嘉音はいませんでした。というもの。

 この回答は言葉遊びで私は好みません。
 そもそも劇中の流れではヱリカはベアトの回答をダブルチェックとしてベッドルームを否定した後
 クローゼットを青字で打っています。
 ここでクローゼットの中に嘉音の死体があればヱリカの思う通りの結果であったことになってしまいます。
 やはり、劇中の表現通りに

嘉音の体は、
ゆっくりと黄金蝶の群に、
……溶けていく……。

 そして、……狭く暗いクローゼットの内側に、黄金に輝く小さなプラネタリウムを見せた後、
……蛍の光が消えるように、儚く消えて、
……漆黒の闇に塗り潰されて消えた。

 ……………永遠に………。

と消えてもらわないといけません。

で、2案目。

過去の記事より
loosedogtom.hatenablog.com


EP2嘉音襲撃のシーンは魔女幻想ではなく紗音・郷田・源治の共通認識であるとしてきしました。
この際このシーンは


 ・実際に起きたこと

 ・紗音、郷田、源治の共通認識(口裏あわせ)

 ・紗音、郷田、源治が同じ誤認や幻覚を見た


の3つと考えられるとし、その場での結論は出しませんでした。


ですが、死体行動説を取っている今ならこのシーンは「実際に起きたこと」であると言うことができるのです。
さて、このシーンで嘉音は最後にどうなったでしょう。
クモの巣を押し付けられて消えてしまいました。
つまり、「この六軒島において動いている死体は蜘蛛の巣によって消える」という設定があると言えるのです。


一度消えてるのなら二度消えてもおかしくないですね。
嘉音はクローゼットの中で持ち込んだ蜘蛛の巣を自らにつけ、消えたのです。
最後に残ったのは後から着込んだ雨合羽だけ。



 これでポイント二つをクリア。
 ロジックエラー密室をクリアできることがわかりました。

死体行動説検証 EP3

死体行動説による各EP検証もEP3です。

EP3も犯人と動機・目的が不明です。
絵羽が犯人と疑わしいのですが、絵羽が碑文を解いた時点ですでに第一の晩が実行されているので
少なくともそちらは絵羽とは別人を考えるべきでしょう。
第一の晩は紗音が譲治と駆け落ちするためじゃないかと考えましたが、そのために人殺すか?
結果的に譲治も死んじゃってるし。となってしまったので若干不安が。
仮に紗音の駆け落ち+黄金を見つけた絵羽が勢いで楼座を殺してしまったのでそれを隠蔽するという線でいきたいと思います。


・第一の晩
 紗音を犯人とします。
 他の4人を殺して南条を抱き込みます。
 鍵を持たせた死体に内鍵をかけさせて密室を構築。
 これで連鎖密室の出来上がりです。

・第二の晩
 犯人は絵羽。
 黄金を見つけた絵羽ですが、楼座ともめて思わず殺害してしまいます。
  わからないのが楼座の死にざま。
 なぜわざわざ柵の棘に延髄をさしているのか?
 私は背丈より高い柵を想定しているのですが、もしかしたら結構低い柵なのでしょうか。
 ベッドルームを抜け出して楼座と話した絵羽が激高して突き倒したら刺さった?
 真里亞は一緒に口封じ。
 秀吉が絵羽のアリバイ工作と言う流れで。

・第四、五、六の晩
 霧江の推理から秀吉と絵羽のアリバイを疑った霧江、留弗夫が秀吉を問い詰めます。
 相打ち殺人で3人は死亡。
 ここで、杭をさしたのは誰でしょう。
 紗音がこれらの殺人に便乗しようとしている?

・譲治の死亡
 母にみつからないように紗音の元にいくために南条の協力を得て部屋の窓から脱出。
 戸締りは南条に頼みます。
 ロミオとジュリエットよろしく死んでる紗音を見て自殺→紗音も自殺だと話がきれいな気がするのですが
 
・第七、八の晩
 絵羽が実行で問題なし。
 その後死体に移動させ絵羽のアリバイを確立

・南条殺し
 エヴァベアトリーチェが長々と赤字を並べていますが、言っていることは「生存者はやっていない」「いないものはいない」「死者は確実に死んでいる」ってことだけです。
死者が行動できる前提の今、殺したのは死者でしょう。
 また、嘉音が朱志香をサポートすることも可能です。
嘉音が朱志香をサポートしてロノウェと遭遇するシーンもありますが、この際ロノウェは言葉を発していません。
目の見えない朱志香にはロノウェは観測できませんので、魔女幻想が入り込む余地があります。

以上で、EP3おしまい。
あとはEP6です。
 

死体行動説検証 EP2

死体行動説の検証ですがEP2に参りたいと思います。
が、残念ながらEP2とEP3についてはリザインになります。


どうしても犯人と動機が見えないのです。
始めは礼拝堂に集まっておいて一人生き残った楼座が犯人かと思っていたのですが、
そうすると嘉音襲撃のシーンにおいて嘉音が「楼座が犯人」と言うのがおかしいのです。


ただ単純に状況を再現するのなら源治と金蔵がいればいいのです。
しかし、源治と金蔵が犯人だと今度は動機が見当たらない。


結果今回はリザインとさせていただきます。


犯人と動機についてはリザインですが、場の再現は可能ですので一応進めてみましょう。

・第一の晩
 使用人全員にアリバイがないので、誰でも可能。
 楼座が真里亞に死体を見せないように鍵をかけておけばよかったという記述があるので内鍵があることがわかります。
 死体の内一つでも動かし内鍵をかければ密室の構築成功。


・第二の晩
 金蔵に源治がマスターキーを渡しておけば施錠可能です。
 嘉音を行動させて次のシーンへ


・嘉音襲撃のシーン
 これは以前の記事でも述べましたが、厳密に言うと魔女幻想とは言えません。
loosedogtom.hatenablog.com


 上の記事では現実、口裏合わせ、3者の幻覚の3つの可能性を上げましたが、死体行動説を採用した今、実際に起きたものと考えることができるようになっています。


・第四、五、六の晩
 こちらも源治か金蔵で犯行が可能です。
 内鍵をかけて終了。


・第七、八の晩
 嘉音襲撃のシーンで殺された死体を出してきて終わり。
 この二人の死体をなぜここまで隠していたのか?
 第四、五、六の晩を実行したのはこの二人かもしれません。


以上でEP2終了。
再現だけなら簡単です。
動機がないと気持ち悪いなぁ。


いつか再チャレンジしたいと思います。

死体行動説検証 EP4

続いてEP4の検証にまいります。


・犯人と動機
 まずは犯人と動機の設定から。

 
 「誰も観察者がいないのならば猫箱の中はどんな可能性でも平行に真実として成り立つ」と言うのが魔女幻想であるのならば、
EP4はその逆の考えとなります。
つまり「観測者が観測したものが真実となりえる」と言う考えです。


 EP4では執拗に戦人に魔女が存在するという情報が送られてきますね。
戦人がこれを認める=観測してしまったら魔女が存在することになってしまいます。
つまり犯人は魔女にいてもらいたい人物と言うことになります。


 そこから考えると犯人は「真里亞」。目的は戦人に魔女を認めさせること。
だれか「戦人が妾を信じれば妾は復活することができる」とたきつけた人物がいそうです。


・第一の晩
 事前に真里亞が碑文を解き、金蔵と地下で邂逅します。
 予め金蔵と打ち合わせをすませ、後は金蔵に任せます。
 打合せ内容は戦人に聞かせる魔女の話。つまりEP4の内容です。
 EP4の特徴としてボトルメールの内容が他と比べてコミカルな部分があります。
 地下道で逃げる蔵臼たちをおうワルギリア。ヤギに痴漢されたり押しつぶされたり。
 こういったところは真里亞の創作である所以でしょう。


 第一の晩で金蔵はさっそく右代宮家の親族の前に姿を現します。
 ウィル曰く第一の晩は「吹き荒れる殺戮の嵐」だそうです。
 事実その通り、第一の晩で全ての大人と紗音、嘉音は殺されます。紗音、嘉音、源治あたりは殺戮を手伝うためにあらかじめ殺しておいてもいいでしょう。
 後は真里亞の書いた通りの台本を死体に演じさせればEP4は成立してしまいます。


 熊沢と郷田が直接魔女の存在を告げるためにゲストハウスに向かいます。
 ボロが出る前に早々に物置へ退場するのですが、ここで困ったことがおきました。
 窓が思ったより高くて窓から死体がきちんと見えないのです。
 二人へのオーダーは密室状態の物置で死んで見せること。
 困った二人は試行錯誤してロープで体を吊り上げ窓から額が見えるようにしました。
 結局中途半端な首つり死体状態で戦人に目撃されてしまいましたとさ。
 熊沢と郷田らしい選択ですね。

 屋敷の前での戦人とベアトリーチェの邂逅ですが、このベアトリーチェは安田紗代でしょう。
 ただし、安田紗代なんて駒はボトルメールには出てこないので紗音が安田紗代の代弁をしていると思われます。
 漫画版にはいませんが、原作ゲーム版にはブレザーベアトとドレスベアトの二人のベアトが出てきてドレスベアトが失望したブレザーベアトを引き継ぎます。
 こちらのドレスベアトは悪食島の悪霊ではないかと。
 EP7の朱志香の話や、安田紗代の過去話の中でやたらとなくなる鍵の話、うみねこ翼の郷田の話、真里亞が語るベアトリーチェの話。私はこれらから実際に人外の存在がいてもいいのではと思っています。
 ただし、惨劇に加わったり影響したりするほどの力はありません。
 せいぜい真里亞や紗音とおしゃべりする程度でしょう。ひぐらしにおける羽生ぐらいのポジションだと思います。
 

 戦人の出自に関する赤字関係ですが、昔考察を基に動画を作りました。
www.nicovideo.jp

 内容はふざけていますが、当時の霧江と戦人の状況から考えて、生まれたての戦人を須磨寺の目から隠すために明日夢の子供としたと言う考察が基になっています。
 霧江は劇中明日夢への嫉妬を告白していますが、明日夢が霧江を憎んでいたり嫉妬していたと言う表現はありません。
むしろ、正反対の性格だから二人とも留弗夫のハートを射止めることができたと考えると明日夢の方は霧江に憧れや好意を抱いていた可能性すらあります。
で、あれば霧江の子を自分の死んだ子供の代わりに育てることもいとわないのではないかと。


 最後に真里亞ですが、彼女は碑文をベアトリーチェ復活の儀式と信じてますので”一つ 全ての死者は蘇り”を黄金郷で蘇ると解釈していると考えられます。
 ので、愛する母の側で自害したのでしょう。

 以上がEP4における死体行動説を使った私の解釈です。

死体行動説検証 EP5

前に検証したEP1では夏妃に犯人役をやってもらいました。
loosedogtom.hatenablog.com

そのおわびと言う訳ではありませんが、EP5でかけられた夏妃への冤罪を晴らしたいと思います。


・犯人と動機
 EP5は動機に関してはあからさまですね。
 19男に関しての夏妃への復讐です。
 犯人の目的は「プライドの高い夏妃に冤罪を被せて屈辱と恐怖を味合わせること」です。


 では、誰が犯人かとなると、動機から犯人は絞られます。
 19男当事者である紗音とその事件を知る源治、南条、熊沢のうちの誰かです。
 今回は「源治」に犯人役をやってもらいましょう。


 源治は紗音から父のように慕われていました。逆に彼も紗音を娘のように思っていても不思議ではありません。
さいころから面倒をみていたのですから。
紗音は碑文を解き、金蔵の地位と金塊を手に入れるチャンスを得ましたが、自分の当時の地位に満足し、現状維持を望みました。
本人は本当に満足だったのかもしれませんが、源治にとっては本来得られるお金と地位を手に入れて幸せになって欲しかった。
そうならなくなってしまった原因である夏妃を逆恨みしてもおかしくはありません。
また、源治は19男からの電話を夏妃に取り次いだりしていますので、物語序盤では19男にとって都合のいいタイミングで夏妃にコンタクトを取ることができます。
 冷静な状態で回りに相談されるのが今回一番困ることですので、このイニシアティブは有効でしょう。


・第一の晩以前
 金蔵が亡くなり夏妃と蔵臼は苦しい立場へ追い詰められます。
 そこへ現れアドバイスやサポートしてくれるのがベアトや金蔵です。
 これらは何者か。
 ………まあ、残念ながらここでの金蔵たちはベルン達がいうように夏妃の想像だと思われます。


・食堂のノックと手紙
 戦人とヱリカが碑文を解き、食堂で親族たちが一悶着起こしていた時、食堂の扉をノックする音と誰が置いたかわからない手紙が届きます。
 このノックと手紙の主は誰でしょう。
 解説するまでもないですね。赤字で屋敷内外の人物はほとんど否定されてしまっています。
 あとに残るは「金蔵」です。 
 戦人も碑文解読の際に金蔵を目撃しています。金蔵は結構悠長に島内をブラブラしているのかもしれません。
 手紙の内容も、差出人こそはベアトリーチェとなっていますが、内容は碑文を解いた戦人を祝福するものでした。
 死んだことになっている金蔵なりの祝福でしょう。


・第一の晩(ゲストハウス)
 先ほどのノックのようにゲストハウスでの第一の晩も疑える人間がいなくなるほど赤字が出ています。
 が、死体行動説なら「楼座」をあらかじめ殺しておけば楼座がゲストハウスに戻った以降からヱリカが聞き耳を立てる前までならいつでも犯行が可能になります。
 なんなら楼座以外も予め殺しておけば余計な音がたたないのでいいですね。
 魔方陣も道具さえあれば真里亞が描くことができるでしょう。
金蔵のようにうまく描くことはできなかったようですが。
残念ながらこの魔方陣を描く目的がわかりません。夏妃を脅かすためでしょうか?


・第一の晩(その他)
 普通に「源治」が蔵臼を拉致、殺害して終わりです。
 夏妃に声を聴かせてから殺害でしょうか。
 その後源治は自殺して自らの死体が動くようにします。
 冤罪をかぶせるなら真犯人はそうそうに死んでいた方がいいですから。


 その後、死体は隠れるように消えてしまいます。
 これは普通に歩けばOK。
 「各人死後、遺体は一切、移動されていない!」の赤字がありますが、
移動はされていません。
自分の足で歩いていったのですから。
他にも別解があり、歩くことすらなしで死体を消す方法もありますが、別EPで解説します。


 それよりも死体を消した動機ですね。
 私が考えられるのはまず死体を全部消すことによって死体が動いていることを隠すこと
この後も源治は暗躍して夏妃を苦しめます。
その際に誰かが源治の死体の様子を見に行って源治の死体がなくなっているのを発見したら源治の計画は破綻してしまいます。
その前に全ての死体を消すことによって、源治の死体が当初の場所になくても不自然でなくしてしまうのです。
 それともう一つ。こちらは私の感情的な考えですが、夏妃に朱志香の死体を見せたくなかったというのもあるのではないでしょうか。
 夏妃が朱志香の死体を見たら当然悲しむでしょう。慟哭するでしょう。
それを見た他の人間が「夏妃はやってないのでは」と考えるのではないでしょうか。
あくまでも夏妃には罪をかぶってもらい人殺しとしてその後を生かせたい。
そのためには周りの人間から「やってないのでは」と思われてはいけないのです。


・19男の電話
 いやー、19男はなんで夏妃の好きな季節が「秋」だとわかったんですかねー。
 と言うすっとぼけはおいておいて、なぜ、19男がわざわざこんなことをしたのか?
 考えられる一つ目は夏妃を不安がらせるため。とことん嫌がらせをしています。
 考えられる二つ目は夏妃の心理状態を計るためではないかと考えます。
 トリック自体は単純です。夏妃も冷静であれば簡単に見抜けたはず。
 ですが、そんな簡単なことにも気づかず動揺してしまう。これはかなり心理的にまいっている。
 そう判断した19男は計画を次の段階に移したのではないでしょうか。
 もし見つかっても「カアサンはかしこいね」などと適当にはぐらかすだけですからローリスクハイリターンです。


・第二の晩
 こちらも秀吉を別の場所で殺し、夏妃がいる部屋へ差し向けるだけです。
 一人芝居でどったんばったんやって、後は夏妃が秀吉を殺したように見せるのみ。


・選択時メッセージ:「難易度はやさしめ」とは?
赤字関係などでうみねこのなく頃にwiki様を参照させていただいています。
そこによるとEP5の選択メッセージに「難易度はやさしめ」とあるのですね。
確かに死体行動説を採用すると難易度は他のEPに比べやさしい…と言うよりも見たままのシンプルに感じました。

死体行動説検証 EP1

死体行動説の検証を始めます。

前提条件は下の記事から。

*2018.7.30に下の記事に「金蔵について」を追記しました。

loosedogtom.hatenablog.com

・犯人と動機

 まずEP1の犯人とその動機を設定します。

 EP1発売直後に私は次のように考察しました

 「金蔵は殺される者はランダムと言っていたが、本当にランダムなら子供達のみが生き残るのはおかしい。犯人は特定の誰かを『殺したい』のではなく、子供たちを『生かしたい』のではないか?」

 今回はこの考察を採用します。

 犯人の目的は子供達の生存。または子供達以外の殺害です。

 

 そんなことができるのは誰か?

 これが可能なのは物語終盤で最後の親族となり、場を支配する権利を持った「夏妃」です。

 なので「夏妃」が犯人とします。

 

 なぜそんなことをするのか?

 夏妃は第一の晩が起こる前に蔵臼から右代宮家の金塊の実物を見せられ信用されていないと感じていました。

 また、それまでの右代宮家の財産をめぐって他の親族に対してのやり取りに疲れていました。

つまり、右代宮家の大人たちに絶望していたのです。

 そんな中で夏妃が碑文を解き、大量の金塊を手にすることができたらどうするでしょうか。

 少なくとも大人たちに渡そうとは思えないでしょう。

 子供たちになんとか金塊を渡そうと考えるはずです。

そこで出てくるのが右代宮家の大人皆殺しと言う発想。

しかし、片翼の鷲のエピソードからもわかるように、夏妃は右代宮家の名を大事にしています。

当然、使用人を含む右代宮家から殺人犯を出すなんて不名誉はできないでしょう。

殺人犯を特定されない「完全犯罪」を夏妃はめざします。

 

自分自身を含む右代宮家の大人たちを全て殺害する。事件後警察の捜査が入っても使用人を含む右代宮家から犯人を出さないため子供達以外全て殺害する、その際実在しないXが犯人になるようにする

 

 一見すると無茶に見えますが、それができるようになるものが黄金と共に夏妃に手渡されています。

 

以上が犯人と動機とします。

 

・第一の晩

 蔵臼から金塊を隠されていたことを知り、絶望した夏妃は自室に戻ります。

その後お金があればこんな苦労で頭を痛めることもないのにと、碑文を解きに動きました。

その結果碑文の解読に成功した夏妃は黄金を手に入れ、その際に金蔵と再会することができました。

 夏妃は黄金の使い方を金蔵に問われ先述の動機を伝えます。

 右代宮家のために自分自身の命も捧げるとした夏妃に金蔵は協力します。

 

 まず初めに嘉音と源治を外傷の無いように殺害します。

二人を呼び出して金蔵の薬で薬殺などが想定されます。

そして二人を行動させ共犯者にします。

 嘉音、源治、金蔵と共に第一の晩を実行。

犯人像をベアトリーチェを狂信する異常者に見せるために、碑文をなぞり、顔面を削って、魔方陣を書き異常性を出します。

また、夏妃が疑われにくいようドアに犯人の痕跡をつけて夏妃は被害者側に見えるようにしました。

 

・第二の晩

 実行者は金蔵。

金蔵ならば部屋にこもった絵羽達でも部屋の中に招き入れるでしょう。

そこで持参したワインなどで二人を薬殺。

二人の死体を行動させ、普通に過ごした後適当な時間に杭によって死体に戻る様に命令をします。

 これで密室で抵抗の跡なく杭を眉間に打ち込んだ死体二体のできあがりです。

もちろんチェーンは二人にかけさせます。

その後源治、嘉音と口裏を合わせ金蔵が扉に魔方陣を書き異常性を演出。

 

・第三、四の晩

 ここまで金蔵は犯人たち以外の他人に姿を見せていません。

 一応生きていると言うことになっているので、このままでは疑われてしまうおそれがあります。

 そこで第四の晩に金蔵は退場。杭を刺した後、荼毘にふされます。

 

・第五の晩

 今後も嘉音には殺人の手伝いをしてもらいたいのですが、後に残れば残るほど犯人として疑われる恐れが強くなります。

なのでここで嘉音にも退場してもらいます。

 ボイラー室で独り芝居をし、他に人間がいるように降りてくる人間に思わせます。

碑文をなぞるために杭は出しておきますが、ささってはいません。

嘉音は死んだふり。…と、言うか実際に死んでいるので南条の検死も普通に通ります。

 嘉音の死体を置いた部屋からだれもいなくなったら嘉音は行動を再開します。

 

第六、七、八の晩

 全員で金蔵の部屋に籠城。

突然現れる手紙は夏妃があらかじめ用意しておいて自分で出したもの。

この状況で夏妃がやったのでは?と言える立場のものはいないでしょう。

その状況を使って、真里亞、源治、熊沢、南条を部屋から追い出します。

源治が夏妃に渡したマスターキーのうち一本はフェイク。

本物は部屋を移る途中で落とすなどして嘉音に渡します。

 

そして嘉音は適当な変装をして三人を殺しに行きます。

源治から渡されたマスターキーで部屋を開けて中に入ります。

 

真里亞に自分がベアトリーチェであると告げ、後ろを向いて歌を歌わせます。

南条、熊沢を殺して内線をかけ嘉音は退室。

源治は内側から施錠をしっかり行い、自分も死体に戻ります。

 

 夏妃が真里亞も一緒に追い出したのは犯人を目撃させるため。

「誰かが中に入ってきた」と真里亞が証言してくれれば存在しない犯人Xのできあがりです。

もしも、声などで変装がばれたとしても朱志香と譲治が嘉音を看取っていますので

幼い真里亞の言うことと整合性を取ろうとすれば「嘉音に変装した誰か」が来たことになるでしょう。

 

肖像画の前 夏妃

 あとは夏妃の贖罪です。

 嘉音に自分を撃たせておしまい。

 嘉音は第五の晩で安置された部屋に戻ります。

 硝煙反応や弾痕などから夏妃が自殺したのではないことは警察が証明してくれるでしょう。

 これで実在しない犯人Xの存在が強まります。

 

 嘉音が夏妃を撃つ前に黄金を置いた部屋まで行く通路を開けておけば、警察が黄金を見つけてくれます。

 生き残った子供たちは実際に犯罪を犯してはいないのですから、疑われることはあっても最終的にこれまで作り上げた犯人Xの仕業になるでしょう。

 そして黄金は子供達へ。どうか愚かな大人の代わりに有効に使ってください…。

 

・金蔵と夏妃

 死体行動説によりこのパターンで金蔵と夏妃が再開することができます。

 夏妃の「心の片翼の鷲エピソード」がヱリカによってクソゲロだの妄想だのと否定されていましたが、これによって夏妃の妄想ではなく実際にあったことにできるのです。

ベルンが「夏妃。金蔵があんたの心に、片翼の鷲を刻むことを、いつ許したっての?あんたの妄想の中の金蔵の言葉でしょうが、それは。……本当の金蔵はね。生涯、ただの一度も!あんたを心の底から信頼したこともないし、あんたに紋章を許そうと思ったことも、ただの一度もないわ!」と赤字で宣言していますが、これも金蔵の生涯でのお話。

金蔵の生涯はすでに終わっていますので、やはり「心の片翼の鷲エピソード」は有効になります。

 「心の片翼の鷲エピソード」は好きな場面なので否定されたくないんですよね。

 

・夏妃の母心

 ここまで死体行動説を基にしてEP1の解釈をしてきましたが、私としては疑問が一点あります。

 夏妃は碑文を解き、右代宮家頭首として一貫した行動をとらせたつもりですが、夏妃は「頭首」であると同時に「母」でもあります。

譲治や戦人などもう大きくなった子供はともかく、幼い真里亞から「母」を奪うような行動を取るのでしょうか??

また、幼い子供に殺人を目撃してしまうような真似をするのでしょうか??

「母」としての自分よりも「頭首」を代行させた夏妃の決意と言ってしまえばそれまでですが、少し飲みこみにくい。

はなはだ疑問です。

 実はこの疑問すでに解決しています。

検証が一通り終わったら記事にします。